ネット上の風評被害に悩む企業にとって、自社でコントロールできるメディアを持つことは、対策の選択肢のひとつになります。なかでも比較ランキングサイトは、ネガティブな情報を相対的に押し下げる「逆SEO」的な効果や、第三者視点での情報発信による信頼性の回復が期待できる手法として検討されることがあります。
一方で、2023年10月から施行されたステマ規制(景品表示法の指定告示)をはじめ、法的なリスクも存在します。作り方を誤ると、風評被害を抑えるはずのサイトが、新たな信用失墜の原因になりかねません。
本記事では、風評被害対策を目的としたランキングサイトの作り方から、遵守すべき法律、安全に運用するための注意点までを整理して解説します。
- ランキングサイトが「効くケース」と「効きにくいケース」の見分け方
- 自社を上位に置く場合に、どこまでが表示上セーフで、どこからがリスクになるのか
- 削除申請とランキングサイト(検索表示の改善)は、目的も期間も別物であること
- 社名・サービス名の検索候補(サジェスト)まで含めて見ないと効果が出にくい理由
- 自社対応でよい範囲と、外部に相談したほうがよい範囲の切り分け方
まずは、自社の社名で実際に検索し、1ページ目に何が並んでいるか、検索候補に何が出るかを確認してから読み進めてください。現状の並びによって、優先すべき打ち手が変わります。

風評被害対策としてランキングサイトが注目される理由
風評被害対策において、比較やランキング形式のサイトが有効な手段として注目されています。理由は、自社の公式見解を発信するだけでなく、検索エンジンの仕組みを踏まえてネガティブな情報を目立ちにくくしたり、客観的な体裁で情報を提供することで、読み手からの納得を得やすいためです。
ただし、ランキングサイトは万能ではありません。掲載媒体や投稿内容によっては、そもそも押し下げより削除申請の検討が先になるケースもあります。「どの情報が、どの検索場面で、誰に見られているか」を確認してから手段を選ぶことが前提です。
主に「逆SEO効果」と「信頼性の向上」という2つの側面から、その有効性を見ていきます。
ネガティブな検索結果を押し下げる逆SEO効果
逆SEOとは、特定のキーワードで検索した際に表示されるネガティブなサイトの検索順位を、相対的に下げることを狙う手法です。自社で管理できるコンテンツを作成し、適切なSEO施策を行うことで、検索結果の上位に表示させることを目指します。
これにより、事実と異なる噂や誹謗中傷が掲載されたページが、ユーザーの目に触れにくい位置に移動する可能性があります。ネガティブな情報の削除が難しい場合の、現実的な対抗策のひとつです。
ただし、順位は検索アルゴリズムや時期、検索環境によって変動します。「1位を保証する」「必ず2ページ目に落とせる」といった性質のものではない点は、社内で共有しておくべきです。また、押し下げが有効なのは「検索結果ページ」に対してであり、検索窓に出る候補ワード(サジェスト)は別の仕組みで表示されるため、同じ施策では改善しません。この違いを混同したまま予算を投じてしまい、「サイトは作ったのに、社名を打った瞬間に出る候補ワードは変わらなかった」という相談は少なくありません。
手法ごとの向き・不向きや費用感の違いは、逆SEOとサジェスト対策の違いとは?費用・効果を比較し最適な方法を選ぶで整理しています。どちらに予算を割くべきか迷っている段階の方は、先にこちらを確認すると判断しやすくなります。
編集部
ご相談で多いのが「ランキングサイトを作ったのに、社名を入力した瞬間に出る候補ワードが変わらない」というケースです。検索結果ページとサジェストは表示の仕組みが違うため、同じ施策では動きません。着手前に、どちらが問い合わせや応募に影響しているのかを切り分けておくと、費用と時間のロスを防ぎやすくなります。
なお、広告出稿によって見え方を一時的に整える方法もありますが、こちらも効果と限界があります。判断材料としてリスティング広告で風評被害対策|悪い検索結果を隠す効果と限界もあわせてご覧ください。
第三者の視点を借りて自社の信頼性を高める
公式サイトの情報は、企業側の一方的な宣伝と受け取られがちです。比較・ランキングという形式をとることで、情報の客観性を担保しやすくなります。複数のサービスを並べ、それぞれの長所・短所を公平に解説することで、読み手は広告色を感じにくくなります。
ここで実務上の分かれ目になるのが、「自社に不利な項目も書けるか」です。すべての評価項目で自社が最上位になっているサイトは、読者に見抜かれます。料金では他社が優位、サポート範囲では自社が優位、といった正直な比較を載せているサイトのほうが、結果的に問い合わせにつながりやすい傾向があります。
ランキングサイト作成前に知っておきたいステマ規制と法的リスク
ランキングサイトは有効な選択肢ですが、作成方法を誤ると法的なリスクを伴います。特に、2023年10月1日に施行された景品表示法の指定告示、通称「ステマ規制」への理解は不可欠です。この規制は、事業者自身の表示であるにもかかわらず、それを一般消費者が判別しにくい形で行う表示を、不当表示として禁止するものです。個別の表示が違反にあたるかどうかは事案ごとの判断になるため、判断に迷う場合は弁護士など専門家への確認も選択肢になります。
意図せず違反と判断された場合、措置命令の対象となるだけでなく、企業名が公表されることで、対策のつもりが新たな風評被害を招く可能性があります。
景品表示法違反と見なされるランキングサイトの事例
典型的なパターンはいくつかあります。
- 客観的な調査や根拠がないまま、自社の商品を「満足度No.1」などと表示し、1位に設定する
- アフィリエイト広告などで収益を得ているにもかかわらず、「PR」「広告」の表記をせず、中立的な評価であるかのように見せる
- 自社運営であることを伏せ、第三者の比較サイトを装う
いずれも、消費者の合理的な選択を妨げるとして問題になり得ます。特に3つ目は、後から「実は自社サイトだった」と指摘された際のダメージが大きく、SNSで拡散されて元の風評より広まってしまうケースがあります。運営者情報を隠す設計は、リスクに見合いません。
作為的な順位付けが不正競争防止法に抵触する可能性
自社を優位に見せるため、競合他社のサービスについて虚偽の情報を掲載し、意図的に順位を低く設定する行為は、不正競争防止法に抵触するリスクがあります。競合の信用を害する虚偽の事実を流布する行為と判断される可能性があるためです。
例えば「〇〇社はサポートが悪い」といった根拠のない記述で自社の優位性をアピールした場合、損害賠償請求や差止請求に発展しかねません。比較で他社に触れる際は、公開情報(公式サイトの料金表、仕様一覧など)に基づき、出典と確認日を明記するのが安全です。
なお、逆に自社が競合や第三者から事実無根の書き込みをされている場合は、押し下げよりも削除申請が先になることがあります。手順と、申請が通らなかった場合の次の一手は悪い口コミの削除申請ガイド|消えない場合の対処法と営業・採用への影響まで解説にまとめています。
【5ステップで解説】風評被害対策を目的としたランキングサイトの作り方
自社を高く評価するだけのサイトでは、読者の信頼も検索エンジンからの評価も得られません。企画からSEOまで、5つのステップに分けて解説します。
STEP1:サイトの目的とターゲットユーザーを明確に定義する
最初に、目的とターゲットを定めます。「風評被害を払拭する」だけでは設計に落ちないため、「誰の、どの判断を助けるサイトか」まで具体化します。
例えば「導入を検討している企業の担当者が、複数社を比較検討できるサイト」といった形です。ここで併せて決めておきたいのが、押し下げたい検索キーワードです。社名単体なのか、「社名 評判」「社名 やばい」なのか、対象サービス名なのかで、必要なコンテンツ量も期間も変わります。実際に検索窓に社名を入力し、表示される候補ワードを一覧化するところから始めてください。
STEP2:専用ドメインの取得とレンタルサーバーの契約
サイトの「住所」にあたる専用ドメインを取得し、「土地」にあたるレンタルサーバーを契約します。ドメインはサイト内容と関連性があり、覚えやすい文字列が推奨されます。
中古ドメインを購入して初速を上げようとする方法もありますが、過去の運用履歴が不明なドメインはリスクを伴います。風評被害対策という目的を考えると、新規ドメインで着実に育てるほうが無難です。
STEP3:WordPressを導入してサイトの土台を構築する
WordPressは世界で最も広く利用されているCMSで、専門知識がなくてもページの作成・更新が可能です。テーマやプラグインが豊富で、目的に合わせた構築がしやすい点が利点です。
運営開始時には、運営者情報・お問い合わせ先・広告掲載方針を明記したページを必ず用意してください。この3点があるかどうかで、読者からの見え方も、検索エンジンからの評価も変わります。
STEP4:読者の信頼を得るためのランキングコンテンツを作成する
中核となるランキングコンテンツでは、客観性と透明性が重要です。各サービスの機能・料金・サポート体制を一覧で示し、公平な基準で比較する姿勢を見せます。
利用者の声や実務経験に基づくレビューを掲載すると信頼性は高まりますが、事実に基づくことが大前提です。「なぜその順位なのか」を評価根拠まで含めて説明できないランキングは、読者からも検索エンジンからも評価されにくくなります。
STEP5:検索結果で上位表示させるための基本的なSEO対策
ターゲットが検索するキーワードを想定し、タイトル・見出し・本文に自然な形で含める内部対策を行います。あわせて、コンテンツの質を高め、自然にリンクされる状態を目指す外部対策も必要です。
ここで避けるべきは、有料リンクの大量購入など、検索エンジンのガイドラインに反する手法です。一時的に順位が上がっても、評価が下がった際に元の状態より悪化する可能性があります。効果が出るまでは一般に数か月単位の時間がかかるため、短期の成果を求めるほど危険な手法に手が伸びやすい点は、社内でも共有しておくべきです。
ステマ規制をクリアするためのランキング作成における3つの重要ポイント
安全に運用するために、特に注意すべき3点を整理します。
ランキング順位の根拠となる客観的な基準を明示する
「料金の安さ」「機能の豊富さ」「サポートの充実度」など、どの項目で比較したのかを具体的に示します。各項目を点数化し、合計点で順位を決めるなど、評価プロセスを公開することで透明性が高まります。
実務上おすすめなのは、調査日と情報ソースを併記することです。料金や仕様は変わるため、「2026年○月時点・各社公式サイト調べ」と書いておくだけで、情報の正確性に対する説明責任を果たしやすくなります。
広告であることを示す「PR表記」を適切に記載する方法
自社商品や、紹介料を得ている商品をランキングに含める場合、それが広告であることを明確に示す必要があります。「PR」「広告」「プロモーション」といった文言を、記事冒頭やランキングタイトルの近くなど、読者が一目で認識できる場所に明瞭に記載します。
文字を極端に小さくする、背景色と同化させる、ページ最下部にのみ記載するなど、意図的に分かりにくくする行為は問題視されます。判断に迷ったら、「初見の読者がスクロールせずに気づくか」を基準にしてください。
利用者の口コミや体験談を掲載する際の注意点
他サイトやSNSから口コミを引用する際は、出典を明記し、著作権に配慮する必要があります。自社で収集したアンケート結果や専門家の見解を載せる場合も、事実に基づくことが前提です。
虚偽の口コミを作成する、根拠のない噂を事実であるかのように掲載するといった行為は、法的トラブルに発展する可能性があるため避けるべきです。社内の複数人がチェックする体制を作っておくと、判断のブレを防げます。
自社での制作は困難?ランキングサイト作成を外注する選択肢

ランキングサイトの制作には、WebデザインやSEO、そして表示規制に関する知識が必要です。継続的な更新も欠かせないため、自社リソースだけで完結させるのが難しいケースもあります。
判断の目安として、社内で対応しやすいのは「情報発信の整備」まで、**外部への相談が向くのは「削除可否の見極め」「検索表示の設計」「サジェスト(検索候補)への対応」**です。特にサジェストは公開情報だけでは仕組みが読み切れず、自己流の対応で状況が改善しないまま時間が過ぎることがあります。
何から相談すればよいか整理したい方は、初めての風評被害相談|失敗しない対処法と費用・流れを解説で、相談前に手元でまとめておくべき情報と一般的な進み方を確認できます。
風評被害対策に強い制作代行会社の選び方
Webサイトが作れるかどうかではなく、風評被害対策や検索表示改善の知見と実績があるかを確認します。過去の対応事例、関連法規への理解、コンプライアンスを踏まえた設計を提案してくれるかが選定基準になります。
打ち合わせの際は、「今回のケースで、できないことは何か」を必ず質問してください。この問いに具体的に答えられる会社は、実務を分かっている可能性が高いと言えます。
制作代行を依頼する際の費用相場と料金体系
費用は、サイト規模、コンテンツ量、実装機能、SEO施策の範囲によって大きく変動します。小規模なら数十万円から、本格的なコンテンツ制作や継続的なコンサルティングを含む場合は数百万円以上になることもあります。
料金体系は初期制作費のみの場合と、月額の運用保守費が発生する場合があります。契約前に、見積もりに含まれる作業範囲と、追加費用が発生する条件を確認しておくことが大切です。
契約前に確認すべき悪質な業者を見抜くポイント
「100%検索1位を保証する」「ネガティブサイトを必ず削除できる」といった、実現不可能な宣伝文句を掲げる業者には注意が必要です。検索順位も削除可否も、掲載媒体や運営元の判断に左右されるため、結果を確約できる性質のものではありません。
また、契約内容や施策の説明が不透明な業者、質の低い被リンクを大量に設置する業者も、後の順位下落リスクを抱えます。少しでも疑問があれば契約を見送る判断が妥当です。
ランキングサイトによる風評被害対策に関するよくある質問
Q. 自社を1位にしたランキングサイトを作っても法的に問題ありませんか?
客観的な根拠を明示し、広告(PR)表記を適切に行っていれば、自社を1位にすること自体が直ちに違法となるわけではありません。ただし、合理的な根拠なく自社を優先して1位に設定すると、優良誤認表示に該当するリスクが高まります。運営者が自社であることを明示したうえで、評価基準を公開する形が安全です。
Q. 作成したランキングサイトがステマ規制に違反した場合、どのようなペナルティがありますか?
ステマ規制(指定告示)に違反すると、消費者庁から表示の差止めや再発防止を求める措置命令が出される可能性があります。この命令は企業名とともに公表されるため、社会的信用への影響が生じます。
なお、ステマ告示違反そのものは課徴金納付命令の対象外とされていますが、表示内容に優良誤認表示や有利誤認表示が含まれる場合には、課徴金の対象となることがあります。「PR表記さえ書けば内容は自由」ではない点に注意が必要です。
まとめ
風評被害対策として比較ランキングサイトを制作・運用することは、ネガティブな情報を相対的に押し下げる効果と、第三者視点での情報発信による信頼性向上という点で、検討に値する手法です。
一方で、景品表示法や不正競争防止法といった法的リスクへの理解が欠かせません。ランキングの根拠を明確にし、広告であることを適切に表示するなど、透明性と客観性を担保したコンテンツ作りが求められます。
また、ランキングサイトは検索結果ページへの施策であり、検索候補(サジェスト)や口コミサイト側の表示は、別のアプローチが必要になります。まずは自社の検索状況を確認し、削除申請を検討すべきもの、検索の見え方を整えるべきものを切り分けるところから始めてください。
ネット評判向上ラボが選ばれる理由

ランキングサイトの制作は、風評被害対策の手段のひとつにすぎません。ネット評判向上ラボが最初に行うのは、サイトを作ることではなく現状調査です。検索結果・サジェスト・関連ワード・口コミ・掲載記事の表示状況を横断的に確認し、どの情報が営業・採用・問い合わせに影響しているのかを整理したうえで、優先順位をつけます。
そのうえで、削除申請で対応できる可能性があるものと、削除が難しいため検索上の見え方を整えるべきものを分けて判断します。この切り分けをせずにランキングサイトへ投資すると、数か月かけても社名の検索候補は変わらなかった、という結果になりかねません。「今のケースで本当に効果が見込めるのか」「先に別の手段を取るべきか」から一緒に検討します。
制作を伴う場合も、表示ルールを踏まえた設計を前提とします。PR表記の位置、評価基準の示し方、運営者情報の扱いなど、後から指摘を受ければ元の風評以上のダメージになる論点を、着手前に整理します。判断の前提となる制度の考え方は、消費者庁の令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となりますでも確認できます。
運営会社である株式会社UCWORLDは、サジェスト対策・風評被害対策に加え、SEO対策やWebマーケティング支援も手がけています。広告代理店やWebコンサルティング会社への技術提供実績もあり、一時的な押し下げではなく、再発しにくい検索環境・情報設計まで見据えた改善をご提案できます。社内外に知られたくないご相談にも配慮し、完全非公開での運用と守秘義務を徹底しています。料金は状況に応じた設計が可能で、サジェスト対策は1キーワードあたり30,000円を基本としています。
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